2011年8月10日水曜日

立法と投票

ソクラテス学派にとって、立法と投票による決定の執行こそ、最も正統的な政治的活動力であった。というのも、立法のような活動力の場合、人びとは、「職人のように振る舞う」からである。つまりこの場合、活動の結果は、例えば法律のように触知できる生産物であり、その過程は、はっきりと認識できる終わりをもっている。しかし、正確にいえば、これは、もはや—というより、依然として—活動ではなく、製作である。そして、ソクラテス学派が活動よりも製作を好んだのは、製作の方が活動よりも信頼できるからである。人間が、その活動能力を、活動の空虚さ、活動の無制限性、活動の結果の不確実性もろとも、投げ捨ててしまいさえすれば、それだけで人間事象のもろさを救うことができる。ソクラテス学派がいいたかったことはそういうことであったように思われる。「人間の条件」p315
インターネット上で、さまざまなコンテンツに対して意思表示するボタンは、製作にあたるということか?

0 件のコメント:

コメントを投稿